ひろば通信 22-06             

・発行 おもちゃのひろば (アートイ特別号) 
・TEL&FAX 052-834-1986                                 
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・HP http://toyhiroba.raindrop.jp/
    2022年6月1日(火)


  ◆◆6月の予定◆◆
・ひろば 5日(日) ・工房 11日(土)
・アートイ展 6/14〜19
・一日おもしろ学校ごっこ 25日(土)



◇今年期待した梅がまったく実をつけず、剪定のやり過ぎかと後悔。なかなか思うようにならないこの世界ですが、かろうじてベコニアの挿し木に成功しました。実は亡くなった父がベコニア会の会長をしており、以前はたくさん鉢があったのですが、徐々に減り、何とかしたいと挿し木に挑戦しました。2ヶ月くらい待ってようやく根が現われ、さっそく植え替えると葉も出てきました。この秋には親子そろって咲いてくれるのを期待しています。
◇庭に咲き誇っているドクダミを今年もたくさん収穫しました。2週間くらい2階の和室に並べて干し、お茶っぱにしました。この時期は水出しがぴったりで、10時間くらい待つとさっぱりした味わいのお茶が味わえます。よく見たら昨年の葉もまだありましたので、ご希望の方にはお分けします。
◇収穫と言えばプランターで育てたソラマメが少し取れましたので、居酒屋で覚えた炭火焼きにしてみました。ついでにたくさん取れたタマネギもいっしょにあぶるとおいしいつまみに。お酒はなかなかやめられません。
◇今回の「おもしろ学校」ですが、やはり定員半分半日メニューなので、また申し込みが殺到することを避けたいと抽選を取り入れることにしました。ただ、どうしたわけか定員を少し上回っただけで落ち着きましたので、そのまま受領しました。
 今図工メニューの材料を準備していますが、45分で仕上げるものづくりなので、ほぼキットにして手渡すつもりです。ざっと並べると壮観です。糸のこがしっかり活躍してくれました。
◇アートイ展も迫ってきました。ほぼ仕上がっていますが、インパクトがほしいと人形たちの髪に色をつけてみました。少し印象が変わりました。90センチ四方の中にミニハウスや家具、遊具などがぎっしりで、数に圧倒されそうですが、アートイでは商品として販売するシステムになっています。普段なら購入しやすい作品も並べるのですが、今回はそのすきまがありません。しかたなく、2件のミニハウスと家具のセット、ジャズセッション、公園の遊具セットと大きなセットものばかり。 値段はつけましたが、たぶんそのままもどってくるでしょう。
◇一昨年亡くなった安野光雅さんの「旅の絵本」の最新刊が発行されています。亡くなった後、アトリエで原画が見つかったそうで、ちょうど10冊目になります。舞台はオランダ。アンネ・フランクの家以外ほとんど知らない国ですが、巻末に安野さんの解説が詳しく載っています。ラジオで彼の言葉を聞いている気分になりますよ。
◇今、和田誠さんの「装丁物語」を読んでいますが、手持ちの本がけっこう登場するのでうれしくなります。でも、当然あると思っていた本で初見だったのは、谷川俊太郎の「いろはうた」。「い」から「京?」まで、韻をうまくふんだことばがならびます。ただ、ちょっとエッチな詩もあるので大人のことばあそびといった感じ。たとえば
・いまも 一生のうち ・おんなぎらいの 女形 ・ねがおまで 猫かぶりetc
◇「ビブリア古書堂の事件手帖」の新シリーズが続きます。古書店を舞台に聡明な店主栞子とその伴侶を中心に物語が展開しますが、店主の母親もくせ者で新シリーズでもしっかり登場します。そして、娘の扉子も主役に躍り出てきますので、親子3代の軽妙な話になっています。本を巡るだけでドキドキする話に仕立てる作者の力量に脱帽です。
◇友人に薦められた「風のマジム」は原田マハの作品。見逃していました。最近の沖縄ブームに乗ったわけではありませんが、沖縄産のさとうきびを使ってラム酒を作るという壮大な企画を担当するひとりの女子の奮闘記。おかあ、おばあの協力を支えに心ある醸造家を探し出し突き進む姿はジブリの主人公を彷彿とさせてくれました。
◇「掃除婦のための手引書」は映画化されるという宣伝を見て、つい手に取りました。中味は短編集で表題他20編以上の作品が並んでいます。作者はルシア・ベルリンというアメリカの作家。もちろん翻訳本ですが、読み出したら、不思議な共感を呼ぶ文調につい引き込まれてしまいます。アルコール依存症や自殺願望、余命宣告された妹の介護とやりきれない状況が描写されますが、それが冷めたような、突き放したような文体で綴られると妙に受け入れてしまう気持ちになります。
◇「オードリー・ヘップバーン」のドキュメンタリー映画は秀逸でした。もともと大好きな女優で今でもポーっとなってしまいますが、息子が編集に関わったという今回の映画は、その人間的な魅力と父親との確執からくる闇の部分を余すところなく描いていました。後半生でユネスコの親善大使になり、自分の名声を飢えた子どもたちを救うために逆利用した潔さに男気を感じました。強い女性です。
◇「大河への道」は、志の輔落語をベースにした映画。肝心の落語の方をまだ聞いていないので、比べようもありませんが、本人も出ているし、試写を見て泣いたらしいので、しっかり見させていただきました。伊能忠敬を大河ドラマにという企画を立ち上げた市役所のメンバーと日本地図作りに関わった役人たちを同じ役者が演じるというその仕掛けだけでもヒットだったと思います。地球の大きさを知りたいという伊能の知識欲から地図作りが始まりますが、当時の測量技術、天文学、正確さにこだわる作業とそのレベルの高さを充分に表現していました。ラストシーンで将軍に差し出す完成地図は一見の価値があります。  
  ◆◆7月の予定◆◆ ・ひろば 3日(日)、24日(日)
           ・工房  9日(土)、23日(土)


◇ちょっと長めの自己紹介       おもちゃのひろば主幹 三輪義信
 はじめての方に向けて、自己紹介します。おもちゃを作り始めて、早ウン十年。そろそろ店じまいのドアも見えてきましたが、もう少し続けさせてもらいます。というのは、「おもちゃのひろば」と「工房」という場所を開いていて、毎月1,2回子どもたちに集まってもらう時間を作っているからです。工房では子どもだけでなく、工作好きな大人たちも加わって電動糸のこに向かっています。
 この電動糸のことの出会いが私のおもちゃ人生を決めました。きっかけは小黒三郎さんの動物組み木に出会ったこと。小黒さんはデザインをほとんど公開して私たちに提供してくれています。おかげでたくさん作らせていただき、糸のこの技術も上達してきました。その頃小黒さんたちが作られた「日本おもちゃ会議」という組織があり、私も参加させていただきました。その会議では著名なおもちゃ作家たちが集い、作品品評もきびしく、しかしいい勉強になりました。
 オリジナル作品が増えるにつれ、自分に作りたいおもちゃは何だろうかと考えるようになりました。木工技術もデザインも勉強をしたことがなく、ひたすら糸のこに向かっていましたが、いつもそばにいたのは子どもたち。わが子から職場の子どもたち、ひろばや工房で出会った子どもたちと数は多くありませんが、その子たちがよろこぶ作品を作ろうとして来たのはまちがいありません。その子がよろこぶ姿を想像してアイデアをひねり出す、そんなパターンでこれまで作ってきました。使える道具はその糸のことドリル、サンダーという組み木の3種の神器のみ。そういう限定された世界だと逆にアイデアが浮かぶこともあります。そして、できればいっしょに作る体験を味わってもらう、その試みが工房であり、ひろばでもあります。ゴールはありません。 (ひろば・工房住所 〒466-0837 名古屋市昭和区汐見町97-1)