ひろば通信 22-07             

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    2022年6月30日(木)

◆◆7月の予定◆◆ ・ひろば 3日(日)、24日(日)
          ・工房  9日(土)、23日(土)


◇あっという間に梅雨明け。毎朝水やりに時間をかけている立場としてはすごく損をした気分。ヘロヘロになった枝豆や朝顔に水をかけながら、日照りに悩むお百姓さんたちに同情します。
 これは気象とは関係ないかもしれませんが、今年はアゲハチョウを見かけません。春先にアオムシを発見しましたが、それ以降まったく姿を見せず、いつもならレモンの葉が食いつくされるくらいアオムシが群がるのですが、青々とした葉っぱもさびしげです。皆さんの近くはどうですか。
◇先月は大きな行事がふたつ無事に終わりました。まずは銀座でのアートイ展。すでに18回くらいになります。いちどコロナで見送りましたが、何とか続いております。参加する作家も常連さんと新しい方が時々入れ替わり、毎回新鮮な雰囲気になっています。私はどちらかというとほぼ同窓会気分で、東京時代の友人たちと再会する貴重な機会になっています。転校したばかりの小学校の友人、中学校はブラバンの面々、高校になると軟式テニス部の仲間、大学は飛ばして就職した埼玉時代の知り合いと今に続いている方たちが足を運んでくれています。今回は、ドールハウスを中心に思い切り作り集めた作品を展示しましたので、けっこうインパクトがあったようです。決められたスペースからはみだしたドールハウスでもたくさん遊んでくれましたので、作者冥利につきました。しまいには名古屋での関係者とも会場で会うことができ、東京銀座の集客力に驚くばかりです。ただ、残念なことに会場のビルが立て替えになるらしく、来年以降の見通しがありません。このイベントはいろいろな意味で自分の創作活動に大きなウェイトを占めています。変わるものはありそうにないので、何とか続けられることを祈っています。
◇もうひとつのイベントは「一日おもしろ学校ごっこ」。コロナのため半日定員半分に縮小しての開催ですが、61回目を終了しました。足かけ30年近くになりますが、今回はここの卒業生が助っ人に入ってくれました。彼は工房の常連でもあったので、ものづくりは大得意。私の授業もたくさん助けてくれました。
「ピコピコカプセル」の方はカプセルの動きにハマった子が多く、坂道をふたつ、3つつなげてロングバージョンにするし、動きの悪いカプセルの交換に群がるしで助っ人様々でした。
「フラワースロープ」の方は、ボルトナットで枠組みを固定するのが慣れない子が多く、ものづくりの体験としてはとても新鮮でした。ただ、工作好きの子もけっこういて他の子にも教えてと頼むと照れていました。最近はこういうおせっかいはさせないのかな。スロープを転がす花びら型のコマは自由に色づけさせましたが、ひとり不思議な模様を描いた子がいて、びっくりしました。何か参考にしたのか聞いたらこの場で思いついたそうで、二度びっくり。しかもころがすとうずまき模様が見えます。センスのある子はいるのですね。
◇アートイのおみやげは、最近段ボール作品に決めており、毎回ちがう作品を楽しみにしています。これは村尾夏代さんという段ボール作家のデザインで、薄い段ボールをまるで等高線のように段々ずらして貼っていって立体感ある形を生み出します。今回はロボットとゴリラがテーマ。腕の付け根に磁石を取り付け、22-07king可動式になりましたので、さらにいろいろなボーズを楽しむことができます。私はゴリラを購入しましたが、完成して思いついたのは、昔のキングコングの映画。ニューヨークのエンパイヤステードビルに美女をつれて登り、悲しい結末を迎えます。そのシーンを再現したくて、写真を見ながら、工房にある木っ端を積み木風に積んで雰囲気を出してみました。ディスプレーで作品の印象が変わることがよく分かりました。
◇このきっかけは最近見た映画で「すばらしき映画音楽たち」というドキュメント。名だたる映画音楽作曲者たちが、監督とやりとりしながら、有名なメロディーを編み出していきます。サイレント映画の時代も音楽はありましたが、トーキーになりはじめて映画音楽が映像場面に使われたのが、この「キングコング」だったそうです。「E.T」の場面では自転車が飛び上がるシーンで普通にウルウルしてしまいましたから、映画音楽の効果は絶大ですね。
◇山下達郎が11年ぶりにアルバムを出しました。「Softly」というやわらかいタイトルで、自分も年をとってやわらかくなったからということでした。(本当?)ときどきライブにも行きますので、ファンのひとりですが、どちらかというと彼のラジオのファンが続いています。楽しみだったのは年明けに大滝詠一との対談があり、毎回どんなネタが出るか予告なしだったので何回も録音を聞き直したものです。もうひとつは奥さんの竹内まりやとの夫婦対談。こちらは夏と年末の2回あり、未だに続いています。まったくいやみのない対談で夫婦仲がうらやましいかぎりですが、お互いに尊敬し合っている雰囲気が言葉の端々に感じられて聞いているこちらも幸せな気持ちになります。こんな夫婦になりたいものです。
◇アートイで上京したついでに、東京で開催していた「ゴールデンカムイ展」を見てきました。想像以上の人気で、日にちを替えてやっと入場。展示の中心は主要な登場人物たちの詳細なプロフィールと原画。アイヌの伝統的な道具もたくさん見せてくれました。まったくの創作の世界ですが、アイヌたちの生きざまをこのくらい詳細に綴った作品は少ないのではないでしょうか。漫画も残り1巻で完結しますが、改めて読み直してもいいかもしれません。
◇新聞の書評欄で気になって購入したのは「サン=テグジュベリの世界」。そうあの「星の王子様」の作者の評伝です。「星の王子様」は英語版、仏語版、岩波文庫版、立体絵本版、CD-ROM版とあり、かなりのおたくですが、作者についてはあまり知りませんでした。この本で彼の生身の人間がよく分かりました。飛行機の操縦が好きなこと、しかし、苦手なことはかなり不器用で、忘れっぽく、片付けができない。すぐ女性を好きになるが、奥さんは手放さない。母親の愛を常に求めていた。ナチスを憎むが、フランス人としてどちらの陣営にもつかず、戦争終結のために尽力します。そして、偵察飛行に飛び立ったまま帰らぬ人になってしまいます。その前に出版したのが「星の王子様」。この中には、彼の気持ちのすべてが込められている気がします。
◇飛行機つながりで見たのが「トップガン」の新作。プロペラ機とジェット機の違いはありますが、飛行機を操縦するスリルには共通するものがあります。トム・クルーズ扮するパイロットが第一線からはずれ、教官になって教える立場に。そこにはかつての友人の息子がおり、彼にうらみをいだく複雑な人間関係があります。危険な作戦を成功させるためにその人間関係を粉砕させる展開になります。久しぶりにスカっとした映画でした。
◇「ベイビー・ブローカー」も評判どおり秀作でした。是枝監督は人間描写が巧みで、どの作品でも登場人物ひとりひとりの個性を際立たせるのを得意としていますが、韓国版でも同様でした。途中から日本人俳優が演じているのではと思うくらい自然な演技でした。内容は赤ちゃんポストに捨てられた赤ちゃんを金で売りつける相手を探すというえぐい展開。そこに生みの親である少女も絡み、 買い手を探しながら、人間同士のぶつかり合いが始まります。そこにはそれぞれの生い立ちも投影され、赤ちゃんへの愛おしさが高まってきます。さらに彼らをしつこく追う女性警官も本音をさらけ出し、何が正義か問いかける形になります。エンディングの情景に救いがありました。
◆◆8月の予定◆◆
・ひろば 7日(日)、21日(日) ・工房 27日(土)
・南図書館工作教室 6日(土)  AM 10:00〜11:30 動物組み木を作ろう  
                PM 1:30〜3:00 組み立て動物や恐竜を作ろう