ひろば通信 22-08             

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    2022年8月1日(月)


◆◆8月の予定◆◆
・ひろば 7日(日)、21日(日) ・工房 27日(土)
・南図書館工作教室 6日(土)  AM 10:00〜11:30 動物組み木を作ろう  
                PM 1:30〜3:00 組み立て動物や恐竜を作ろう

◇少しずつ元の状況が戻ってきそうでしたが、またまた第7波の登場で元の木阿弥。前ならすぐ緊急事態宣言が発出されるところでしょうが、今回は何ら対策がしめされずただ静観の見通し。もはや打つ手なしが本音かも。
 個人的には秋の組み木フェスを来年1月に延期し、そろそろ本腰の準備に入るところですが、肝心の参加者の反響があまりありません。三度目のチャレンジになるイベントであることや、この7波の影響で二の足を踏んでみえるのかもしれません。少々楽観的しすぎるわが身ももう少し慎重になった方がいいかもしれませんが、目に見えない相手に神経を使いすぎてもなあと日常のリズムをもういちど洗い直しています。
◇今月いっぱいまた南図書館で作品を展示させてもらっています。かれこれ20年以上の付き合いになりますが、よく続くものです。最初の頃は小黒三郎さんの動物組み木が大好きな仲間が集まり、自慢の糸のこ作品をたくさん並べていましたが、徐々に仲間が減り、友人と組んだ展示に変わり、そして、ついに工房の教え子たちとの共催になりました。一応私はオリジナルにこだわり、その都度合板の恐竜や動物たち、遊園地シリーズ、サーカスシリーズと趣向を凝らしてきました。昨年からは支援教育に携わっている教え子の教材教具をいっしょに展示しています。そもそも私も現役時代支援学級の中で糸のこを使った教材をたくさん作って来たので、自分の歴史をたどるような不思議な気分になります。今回はアートイの延長でドールハウスを中心に展示しました。機会がありましたらお出かけ下さい。
◇銀座のアートイで高校時代の仲間と出会ったとき、なぜか登山の話になり、東京と名古屋から合流して行くなら八ヶ岳がいいとトントンと行き先が決まりました。ただ、関東に比べて割引がないので高齢者用の割引システム「ジパング」に入会して返事を待ちましたが、期日が迫っても到着せず、問い合わせたら、名簿を見落としていたとのこと。急いで速達で送ってもらったらそれも届かず。今度は郵便局に電話すると配達員が速達表示を見落としていたとのこと。出発の前日の午後になりようやく手帖を持って駅へ。ここまでバタバタが続くと怒る気もせず志の輔落語の「みどりの窓口」を思い出して笑ってしまいました。
◇さて、肝心の登山ですが、今回のコースは北八ヶ岳を目指す初級者コースのはずでした。途中までロープウェイを使い、歩くのはハイキングなみとガイドブックにも書いてありました。久しぶりの山歩きなのでちょうどいいと思いきや、途中からだんだん怪しくなってきました。登頂の後下りばかりのはずが、ゴロゴロ岩がどこまでも続き、アップダウンの激しい道のり。予定時間をすぎても目当ての池が現われず、山小屋に遅れることを連絡。夕方近くようやく山小屋に到着しました。おいしい夕飯に癒されましたが、翌日は雨天の中の山歩き。下りで何度もひざを痛めているので、ハラハラしながらでしたが、筋トレ効果があったのか何とかセーフで下山しました。駅のそばのホテルで風呂にも入り、ほっと一息。途中ではもう二度と来ないぞとつぶやいていましたが、すぐまた登りたくなってしまう山の魅力って何でしょうね。
◇ジュラシックパークのシリーズがついに完結するというので、新作公開の前まで以前の作品を見直していました。何せ同じ映画を何回見ても詳しいストーリーはすぐ忘れてしまうので、いつも新鮮です。思えば29年前一作目の公開の頃私の恐竜作りも始まりました。動物から恐竜へ興味が移ったのもこの映画が影響していたのかもしれません。それほど衝撃的でした。琥珀に閉じ込められた蜂のDNAから生きた恐竜を生み出すというその当時としては奇想天外な発想でしたが、妙に説得力がありました。その後のシリーズでもこの発想は延長され、しまいにはありえない恐竜まで作ってしまいます。最終作では野に放たれた恐竜たちと人間との共存が主題になります。命への責任と言うか生きるものすべてに畏敬の念を持つというとても人間らしい結論で締めくくられていますが、でもまだ続編が見たいです。
◇完結と言えば前回紹介した「ゴールデンカムイ」も最終回を迎えました。アイヌの隠された金塊を巡り、五稜郭周辺での戦いは列車の中も含めてものすごいことになります。守りきった少女アシリパは権利書を手に北海道にもどりアイヌ文化復権に尽力することになります。後日談でマッカーサーまで話がつながるのは少々興ざめでした。
◇「プラン75」はとても考えさせられる映画でした。新人監督の作品ですが、どうして重い話をテンポよく展開しています。75過ぎると安楽死が選べるという近未来の架空の日本。淡々と高齢者施設の仕事を進める倍賞千恵子演じる主人公が退職を機にこの道を選びます。相談役の女性とのやりとりがとても切ないのですが、徐々にこの施策の裏側が見えてきます。サスペンスぽい結末ですが、高齢者の生き方を考えさせられる問題作でした。
◇大人に自由研究の宿題があったらぴったりの文庫本がありました。ひとつは、恐竜学者の小林快次さんが書いた「恐竜まみれ」。有名になった「むかわ竜」の発見やそれまでの発掘調査のエトセトラを軽妙な文章で綴っています。もう一冊は昆虫学者の小林貴さんの「昆虫学者はやめられない」。ゴミムシが専門というかなりマニアックな内容ですが、採集のコツやら昆虫以外の生物もたくさん登場して知識が広がります。お二人とも一芸?に秀でているからこそ書ける濃い中味が満載。博物館に通った気分になります。
◇夏休みはどうしても戦争の話と結びついてしまいますが、じっくり読んでほしい本が「ベルリンは晴れているか」。舞台は第二次世界大戦終了後のベルリンの街。ソ連と連合国との間で分割統治されている中で孤児となった少女は働き口を探します。世話になっている男の不審死から疑いを持たれ、東西両方の兵隊からつきまとわれます。とても日本人作家が書いたとは思えない詳細な街並みや人物描写が巧みで長編であることを忘れてしまいます。
◇原田マハの「美しき愚かものたちのタブロー」も長編ですが、ファンならずとも淡々と読めると思います。上野に西洋美術館ができるまでの松方コレクションの足取りがよく分かります。かつてはこの国にも大きな気持ちを抱いていた人物が確かにいたことを改めて痛感します。
◇戦争つながりで紹介したい絵本は田島征彦作の「なきむしせいとく」。すでに沖縄戦を舞台に何冊か絵本を綴っていますがその集大成ともいうべき作品。朝ドラでも沖縄戦のことや日本復帰の時代が描かれていますが、とても中途半端で歯がゆい思いをしているのはわが家だけではないでしょう。 この絵本ではアメリカ軍が上陸して来た3月から南へ家族と逃げ、その間の悲惨な体験が綴られます。沖縄に展示されている丸木夫婦の絵でも描写されていますが、現実はもっともっとひどかったのだろうなと想像します。
◇先日BSで放映していた番組で登場した「ゲレヌク」というウシ科の動物をデザインしてみました。後ろ足で立ち上がって木の葉を食べるところがユニークで、細い足を慎重に切ってみました。こうして糸のこに挑戦している時がいちばん幸福です。
  
 ◆◆9月の予定◆◆
・ひろば  4日(日)、18日(日) ・工房  10日(土)、24日(土)