ひろば通信 23-01             

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    2022年12月1日(木)

◆◆2023年1月の予定◆◆
・ひろば 7日(土)変更しました・工房 14日(土)
・組み木フェスティバルin春日井 28日(土)、29日(日) 文化フォーラム

nenga
あけまして おめでとう ございます 
  今年もよろしくお願いします
◆2022年のベストイレブン(順不同)
・映画 すずめの戸締まり、鹿の王、ジュラシック・ワールド6、ベビーブローカー、夢見る小学校、名付けようのない踊り、テレビで会えない芸人、コーダ、カモン・カモン、オードリ・ヘプバーン、プラン75
・本 香君、神々の山嶺、雲を紡ぐ、アイヌ神謡集、冷たい校舎の時計はとまる、ベルリンは晴れているか、同志少女よ敵を撃て、風のマジム、まぐだら屋のマリア、美しき愚かものたちのタブロー、恐竜まみれ


◇今年は早々に「組み木フェスティバル」を控えているため、しばらく気の休まらない日が続きそうです。全国規模のイベントを引き受けるのは、2003年の名古屋での「創作おもちゃフェスティバル」以来ほぼ20年ぶりの仕事。その頃の資料がまだ残っていますが、仲間たちもまだ若々しくおもちゃ作りへの熱気が伝わってきます。子どもたちにいいおもちゃをと、それぞれの考えで思いついた作品群は、目の前に並べられるととてもインパクトがありました。丸々五日間のイベントでしたが、のべ7000人という観客をよくさばけたものです。これは「日本おもちゃ会議」というおもちゃに関わるプロアマの集合した団体のイベントでしたが、残念ながら今はもう解散してしまいました。
 ただ、その当時の作家たちは今も元気に活動している方たちが多く、いい刺激を受けています。 東京のアートイ展はそのときのメンバーが中心になって継続しています。そのうちの何人かはこのひろばでも毎年代わる代わる工作教室の講師に招待していました。コロナが収束した暁にはまたそんな行事を復活させたいものです 。
 今回は「組み木」に限定されたおもちゃのイベントですが、私を含めて「組み木」以外のパターンで自由に創作している面々もたくさんいるので、見応えのある会になると思います。
 厚顔ですが、初日には私の「お話おもちゃ」を紹介します。いつもの「ちいさいおうち」とおまけに「おおきなかぶ」を会場で披露しますので、サクラになってくださる方はぜひお出かけ下さい。
◇先月急に寒くなったので、温室をセットしましたが、運び込んだハイビスカスがなんとつぼみをつけ、少し咲きかけています。晩秋にも咲いていましたが、こんなに息が長いとは知りませんでした。
◇半日開催が続いている「おもしろ学校ごっこ」ですが、アンケートを見ると一日より半日の方が子どもたちも集中できてよいという意見もあり、6月以降どうするかスタッフの間で大きな課題になっています。ただ、半日だと私のものづくり授業も短時間になるので、どこまで準備するかが問題。今回ははじめて「つり竿を作って魚釣りゲーム」をやりましたので、事前にキットにして低学年の子にも簡単に組み立てられるようにしました。それが効を奏したのか、ものの10分ほどでつり竿が完成してしまい、後ゆっくりと好きな魚の色塗りを楽しむことができました。ゆとりは大事ですね。
◇孫のアーちゃんもついに大学受験生。誕生以来毎年木のおもちゃをプレゼントし続けてきましたが、もうそろそろおもちゃとはお別れ。昨年は小松強志さんデザインのスマホスピーカーを贈りました。さて、今年は受験生ということで、「合格祈願」を念じて「絵馬」を贈りました。デザインはかわいい動物たちをあしらって、みんなが応援しているよというメッセージを託しました。幸い気に入ってくれたので、春のいい便りが待ち遠しいです。
◇先月はワールドカップをしっかり堪能してしまいました。午前4時起きも何度か、夜中観戦も何度か、ただそれに匹敵する試合内容だったので後悔はありません。いつのまにかスポーツは見る側になっていますが、オリンピックにしろワールドカップにしろ、試合の裏側では醜い駆け引きが横行しています。選手たちの本音も画面からは聞こえてきませんが、選手&観客ファーストに徹したイベントにしてほしいものです。
◇友人に勧められた「ひと」という小説はとても印象的で、早く続編が出ないかなと待っていたら、やっと見つかりました。小野寺史宜作「まち」というタイトル。前作と直接話はつながっていませんが、この主人公も幼い頃火事で両親を亡くし、祖父に育てられます。祖父は尾瀬で歩荷(ぼっか)という山小屋へ荷物を担いで運ぶ仕事をしています。高校を卒業する頃、東京へ出てみろという祖父の言葉のままに上京しますが、特にあてがあるわけでなく、体が大きいことから引っ越しのアルバイトを始めます。物語はバイト先での仲間関係や安アパートでの隣近所とのなにげないやりとりなどで淡々と進みます。そのうちある家族とのつながりから、自分の進路を見つけていきます。この淡々さが何ともいえない印象を与えます。不思議な一冊です。
◇本屋で山積みになっていたので、つい購入してしまったのが「傲慢と善良」。辻村深月作なので、はずれはないかなと思いつつ、主題は男女関係。しかも婚活で知り合った男女が挙式を前にすれ違い始め、やがて花嫁は行方不明に。そこからミステリーが始まります。はじめは、相手の行方を探しながら花嫁の過去を突きとめていく男性の視点から、後半は花嫁の立場から自分のこれまでの生き方を見直す作業が語られます。自分のことを知るなんて一生かかる作業だと思いますが、そのきっかけを教えてくれる作品です。
◇「魔女の宅急便」の作者角野栄子さんが、自分の生い立ちを綴った小説「イコトラベリング1948〜」は、かくして小説家になった奇蹟がよく分かる本です。留学にあこがれ、英語学科に進み、結局出版社や書店に勤めながら、ブラジルの日本人学校で働くことになり、その経験を生かして物書きになります。好奇心に満ちた初々しい角野さんの20代がまぶしい本です。
◇「Drコトー診療所」が16年ぶりに続編映画になりました。登場人物もほぼ同じで、それなりに年をとっていますが、まるで同窓会のようでした。島の風景もほとんど変わらず、都会とは別の時間か流れている気がしました。ただ、今回はコトー先生自身が病に冒されるという深刻な事態で、加えて島を大型台風が襲うという設定。後半は息もつかせぬ展開になります。結末はふせますが、いろいろな解釈ができる終わり方はとても余韻に残りました。
◇「かがみの弧城」は期待せず見たのですが、良質なアニメになっていました。原作はお薦め本でひろばでも評判ですが、ていねいにアニメ化されていました。弧城に集められた7人の子どもたちはどの子も不登校の経験を持ち、つらい過去・現在をかかえています。主人公も自分の願いを考えながら、もっと大切なものを見いだしていきます。若い子たちにお薦めの映画です。
◇やはり「アバター2」を見に行ってきました。今度は森から逃れて海の民の中で過ごすことになる主人公の家族たちを、また地球から何とアバター一族に変身した地球の兵士たちが追いかけてきます。成長した子どもたちもそれなりに活躍し、心を通じた巨大生物の力も借りて守り抜きますが、画面の迫力は半端ではありません。また、アイヌ民族にも通じる生きとし生けるものを敬うアバターたちの精神世界にも共感を持ちます。娯楽映画にしておくのはもったいない気がしました。    

◆◆2月の予定◆◆
・ひろば 5日(日)、19日(日) ・工房 11日(土)、25日(土) 要予約