ひろば通信 23-03             

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    2022年3月2日(木)

◆◆3月の予定◆◆
・ひろば 5日(日)、19日(日) ・工房 11日(土)、25日(土)
要予約

◇ようやく白い梅の花が3部咲き。静かに春の訪れを告げています。服装もジャンバーからベストに衣替え。気分も少し軽くなりました。朝の仕事のひとつは野鳥のレストランの開店。12月から3月までの期限つきの店ですが、朝、雨戸を開けるとすでにお客のスズメたちがたむろしています。もっぱらスズメとヒヨドリに限られていますが、すきを見てメジロもミカンを味わっています。後しばらくのおつきあいです。
◇そんなにぎやかなレストランをながめながら、今年のアートイ展に向けての制作が始まりました。1月に開いた組み木フェスティバルの準備と後片付けですっかり棚上げしていたので、今毎日工房で制作に取り組んでいます。今年のテーマは「さわやか」なのでどうしようか悩みましたが、自分がいちばん得意としている組み立て動物のシリーズを並べることにしました。スペースは限られているので、まず動物を飾るツリーから作ります。これは昔、世界中の動物を100種類作ったとき、大陸別に飾ろうと工夫したもの。世界地図のモニュメントを下に置き飾るとものすごい広さになります。組み木フェスで使ったギャラリーくらいの広さがあれば見栄えがするでしょうが、それを90センチ四方に収めるのですからかなりの凝縮になります。
 とりあえず、これまで作ってきた生き物の中からこれはというものをチョイスしながら、ツリーに並べていくことにしました。まずは何と言っても恐竜でしょう。最近作った羽毛恐竜も含めて15体を選びました。続いてはペンギンシリーズ。これまで7体ほど作りましたが、この際全部作ろうと18種類に挑戦しました。しかし、どれも大きさは近いし、形も似ているものが多いので区別するのが大変です。しかたなく足裏に名前を記入することにしました。こんなふうに少しずつツリーを埋めて行くつもりです。順調に行けば、5月くらいには完成すると思いますので、ひろばの日や工房の日に公開します。ぜひご意見をください。
◇その春日井のギャラリーで公開中なのが、「ねずみくんのチョッキ展」。こちらは一ヶ月以上のロングランですが、ねずみくんの絵本の世界が上手に展示してありました。原画が中心ですが、夫婦二人三脚の息のあった作品作りは愛にあふれている気がしました。驚いたことがあり、これまでねずみくんのシリーズは39冊あり、すべての作品リストが並んでいましたが、わが家で昔買ってあった5冊の中にリストにないものがあったのです。係の方に聞いてみましたが、ご存知ないとのこと。家にもどり確認してみましたが、確かにねずみくんの絵本でした。ただネットで調べても現在取り扱いしていないとのことで、何か訳ありのようです。その絵本のタイトルは「とびだせ!ねずみくん」といい、赤と青の色メガネをかけてみると、立体的に見える画面があるという遊び絵本。メガネはなくしていたので、セロファンを注文して作り直しました。ひろばでもお試しください。せっかくなので、ギャラリーのスタッフにも見てもらうつもりです。
◇「ねずみくんのチョッキ」と言えば、すぐ思い出すのは小松強志さんの「おもちゃ文庫」の作品。絵本に登場する動物たちを組み木風にデザインし、裏返すとそこにチョッキを着た姿が出現します。
 お話遊びにもなるし、組み木パズルにもなるすぐれもの。確かしっかりと作者の承諾をもらっていると聞いたことがあります。ひろば用に作ってみましたので、ぜひお試しを。
◇ギャラリーつながりで「岡本太郎展」にも行ってきました。初期の頃の作品から、太陽の塔を経て、新しい作品まで所狭しと並んでいましたが、どの作品もすごい迫力で迫ってきます。画風を確立するには紆余曲折があったと聞きますが、ずっと一貫しているものを感じました。それは「自由」ということばです。何ものにもしばられない自分だけのもの、彼にはずっとそれが見えていたんでしょうね。
◇「なでし子物語」のラストを読み終わりました。古い名家に引き取られた少女が成長し、やがて結婚。この巻では廃れ行く家を支えながら、新しい道を模索して行く過程がていねいに綴られます。人を信じられる、そんな素直な姿を見せてくれます。
「永遠についての証明」は苦手な数学を前面に出した小説。ただ、数式はまったく出てきませんのでご安心を。天才的な数学好きな青年が飛び級で大学院に進み、世界でも難解な数論を証明して行きます。孤独なはずが、仲間と組む快感も覚えまっすぐ突き進みますが、やがて壁にぶち当たりついにアルコールに頼ってしまいます。この辺はちょっと読むのにきついですが、彼がきちんと評価されるラストは秀逸です。
◇「リエゾンーこどものこころ診療所ー」が12巻まで発行されました。先月からテレビドラマ化され、山崎育三郎が主演で頑張っています。原作は多岐に渡る子どもの心の病気を短編風にまとめながら、読者に投げかけるスタンスで物語が展開して行きます。ドラマの方も同様で簡単に結論を出さず、視聴者に問いかけてきます。深夜帯放映にはもったいない気がします。
◇フェスの関係で映画鑑賞も遠ざかっていましたが、どうしても見たかったのが「ブルージャイアント」。これも漫画が原作ですが、不思議なことに漫画の描写からジャズの音が聴こえてくるのです。ストーリーはすでに3シーズン目に入り、ヨーロッパからアメリカを舞台に移していますが、このアニメは最初の日本でのデビュー話。世界一のプレーヤーになると豪語するダイが組んだトリオ。若者同士のぶつかり合いとジャズの本質に切り込んだ展開がジャズファンを泣かせます。しかも音楽担当がジャズピアニストの上原ひろみさんですから、半端になるはずがありません。思わずサントラ版も購入してしまいました。
◇その他最近読んだ本
・「大河への道」立川志の輔著 あの映画の原作本。伊能忠敬の大河ドラマの企画が別人の話にすり替わるこっけいさを上手に論じています。落語で聞きたいよー。
・高橋源一郎の「飛ぶ教室」ラジオトーク前のオープニングの原稿を集めたもの。それが聞かせるのです。その後ラジオも聞き始めました。

◆◆4月の予定◆◆ ・ひろば 2日(日)、16日(日) ・工房 8日(土)、22日(土)

?今年も小黒三郎さんの組み木ひなといっしょにお待ちしています。