ひろば通信 23-04             

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    2022年3月31日(金)

◆◆4月の予定◆◆
・ひろば 2日(日)、16日(日) ・工房 8日(土)、22日(土)


◇進級・進学おめでとうございます。
 新しいスタートには不安や緊張がつきものですが、そんな気分を楽しめるといいですね。人生そんな経験は何度もあることではありませんから。
 WBCの試合を堪能しながら、選手たちがその緊張をものすごく楽しんでいる姿によけい感動しました。結果も素晴らしかったですが、もし負けていても清々しい雰囲気で終わった気がします。それにしても栗山監督の選手操縦はすごいですね。選手を信じきるあの姿をあらゆる指導者に学んでほしいものです。特に幼い子どもたちと向き合う保育士・教師たちに。
◇やっとガーデニングにいそしむ日々がやって来ました。堆肥作り、土作りで準備して来ましたが、これからが本番です。昨年蒔きすぎたワスレナグサは控えめにして、根の張ったミニ畑に移植しました。種まきの合図にしているシバザクラも咲き始めましたので、種まきも開始します。心配なのは梅の実の収穫です。今小さな実を確認していますが、昨年よりたくさん発見しましたので期待しています。
◇6月のアートイ展に出展する「生き物ツリー」の仕上げに励んでいます。時間もあるのでのんびり仕上げようと思いつつ、先が見えてくると急いてしまうのはしかたないかな。恐竜ツリーに始まり、絶滅した哺乳類のツリー、ペンギンツリー、ウミウシのツリー、水の生き物のツリー、ワニ類など爬虫類のツリー、なぜかオーストリアのツリー、そして最後は犬のツリーと8本が並びます。それぞれのツリーで相対的な大きさを決めましたので、小さい作品もいくつか作りました。例えば、ペンギンではコガタペンギンやコビトペンギンは皇帝ペンギンの半分以下。犬ではチワワも作りましたので、糸のこで部品を切っていると、刃のすき間から落ちてあわてて探すことが何度もありました。
 一応生き物はできあがりましたので、こんどは後ろに並んだ作品も見えるように、ツリーを回転させる仕組みを考えました。ビー玉をベアリングにしてと思いましたが、大げさになるので、簡単に透明のプラ板をワッシャー代わりにしてはさんでみました。いい具合ですが、大きな恐竜ツリーをどうするか今悩んでいます。
◇孫のアーちゃんがなぜか名古屋に遊びに来て飼い犬の柴犬ともども三日間楽しんで行きました。何でも大学の合格発表をジジババと確かめたいそうでこちらはドキドキ。幸いセーフでしたので、さっそく合格祝い。その前には飼い犬の「コハク」をモデルにした作品にも挑戦して久しぶりに糸ノコに向かっていました。その集中ぶりに母親の娘時代を思い出している爺さんでした。犬ツリーにはそのコハクも並べてあります。
◇最近工房がたいへんにぎやかで、のべ10人を超える日もあります。コロナもだいぶ収まって来たので、人数は大目に見て、糸ノコ工作を楽しんでもらっています。初心者の子もいますが、数回チャレンジすると手をそえなくても、何とか自分でコントロールして行きますので、子どもの力ってすごいなと思います。「好きこそ物の上手」ということばがびったりと思うこの頃です。(工房は予約制ですので、お早めにメールください。)
◇来月また「おもしろ学校」の受付をしますが、今回も半日メニューを予定しています。正直に言うとスタッフも1日メニューがしんどいところがありますので、参加者のご意見をうかがうつもりです。ただ、私としては昔のように2時間続きのたっぷりとしたものづくりタイムがとれないので、新しいメニューを考えなくてはなりません。今回思いついたのは、「雪の結晶の万華鏡づくり」。手持ちの万華鏡本には掲載されていなかったので、ネットで調べたら「日本雪氷学会」のホームページに出ていました。この資料をペースに短時間で仕上がるように今手直しをしています。でも確かに六方に広がった万華鏡模様が見えるとけっこう感動します。万華鏡はふつう正三角形になるようにミラーをセットしますが、これは頂角が30度になる二等辺三角形をミラーで作り、底辺は黒い板を張るところがポイントです。さて、うまく行くでしょうか。
◇先月号に掲載したねずみくんの絵本ですが、展覧会のスタッフから返事が来ました。出版元のポプラ社に問い合わせたところ、他にも39冊のシリーズに入っていない絵本があるそうで、この「とびだせ!ねずみくん」はしかけ絵本になっており、他の絵本と差別化する意味で入れなかったとのこと。確かに読み聞かせや図書館での扱いには困るかもしれません。いろいろな意味でお宝になりました。
◇ 新聞記事で紹介された絵本を3冊購入しました。ひとつ目は「二番目の悪者」と題された少し耳の痛い内容の児童書。次の王様をめざす金のライオンは、他の動物に人気のある銀のライオンがめざわり。そこで嘘のうわさを流します。はじめ信じなかった動物たちもだんだんうわさを広げるようになり、やがて銀のライオンは追いやられて・・・。という展開。まるで今のSNSの世界を象徴しているようです。真実は自分で確かめないかぎり見つけられないことを肝に銘じる良書です。
 2冊目はウクライナの子どもたちの支援にもつながるジャバラ絵本。世界の24人の絵本作家が住みたい国を想像して描いています。それぞれのメッセージが聴こえてきそうです。この絵は降矢ななさんの「ちゃんぽんの国」。
 最後は皆川明さんのユニークないきものの絵に谷川俊太郎さんが俳句を綴った作品。絵もユニークですが、俳句もユニーク。谷川さんならではのことばあそび真骨頂です。大きな声で読むと気持ちがすっきりしますよ。
◇もうすぐ読み終わりますが、立花隆が綴った「シベリア鎮魂歌 香月泰男の世界」はとても読み応えがあります。画家の香月さんが体験した悲惨なシベリア抑留、ようやく帰国して描き続けたシベリアシリーズの作品群の背景となることを立花さんが詳細にレポートしました。映画でもこのシベリア体験がヒットしましたが、想像を絶する体験だったことがこの本からも伝わってきます。戦争への怒りと絶望感を作品にぶつけた彼の生涯を思いますが、以前小松強志さんから彼の画集を紹介していただいた記憶があり、そのときは絵の他に素朴なおもちゃの作品もあることを知りとても親近感を持っていました。すごい人です。
◇久しぶりに血わき肉踊る映画を見ました。「RRR」というインド映画です。時代は20世紀はじめ。イギリスの植民地だったインドの苦しみと怒りが背景になっています。無謀に少女を連れ去られた村の青年が少女を取り戻しに向かいます。一方インドの警官になっているもうひとりの青年はいつか武器を故国に持ち帰ってインドの解放を企てています。その二人が時に友情を分かち合い、時に敵対しながら最後は手を取り合って大団円を迎えます。そこまでのアクションもすごいですが、途中のナートゥダンスもきれっきれで圧倒されます。何度でも見たい作品です。
◇「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」はアカデミーの作品賞他総なめに近い作品でしたので、当然のように見に行きましたが、あれっていう展開でした。パラサイトを思い出すようでちょっと引きかけましたが、じっくり筋を追ってみると、母と娘のせめぎ合いだったり、移民の待遇が背景にあったりで、とても社会的な面もある作品でした。
◇その他読んだ本
・「絶滅の人類史」NHK出版新書  ネアンデルタール人はほろびましたが、我々の人体の一部に遺伝子がわずかに含まれていることを分かりやすく教えてくれました。
・「歴史とは靴である」磯田道史著  大学の図書館で歴史書を全部読んでしまい、他の大学に入り直す歴史オタクの真骨頂。講義が分かりやすいはずです。   
 ◆◆5月の予定◆◆ ・ひろば 7日(日)、21日(日) ・工房 13日(土)、27日(土)