ひろば通信 23-06             

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    2022年6月1日(木)


◆◆6月の予定◆◆
・ひろば 4日(日) ・工房 11日(日)、25日(日)
・おもしろ学校 24日(土) ・アートイ展 6/15〜20

◇5月に梅雨入りという雨予報があったので、急いで梅を収穫することにしました。昨年一昨年と不作でしたので、予想どおり今年はたくさん実がなっています。まさに鈴なり。ただ、上の方は木に登らないと届きません。危なっかしい様子に見かねた連れが交代を宣言。農家育ちらしく張り切ってくれました。おかげでバケツに何杯も収穫できました。ほぼ10キロ以上でさっそく近所におすそ分け。わが家で配れる貴重な財源です。残りはしばらく寝かせて梅干しにするつもりです。
◇前に報告したレモンの木も実がたくさんつき、少しずつ大きくなっています。久しぶりにアオムシを発見して、捕獲しようか迷っているうちに姿が見えなくなりました。自然は厳しいですね。
◇「おもしろ学校」の受付をまた先着順にしたので、殺到するかと心配しましたが、半分くらいで静かになり拍子抜け。でも3日くらいで定員は埋まりましたので、ちょうどよかったかも。コロナは収束しつつあるとはいえ、まだ皆さん本調子ではないようですね。
◇そのおもしろ学校、また半日メニューなので、ものづくりの材料づくりがたいへんです。雪の結晶が見える万華鏡を作りますが、自分で作業をさせながら、ある程度簡単にできるようにキットにセットしますので、その加減が難しいです。しかし、くっきりと結晶の模様が浮かぶ時はワクワクしますので、本番に期待します。
◇5,6年前に娘の舞台のお手伝いをさせてもらいましたが、その関係の担当者から木綿用の「糸車」の舞台装置を頼まれました。羊毛の紡錘機はクラスのものづくりの一貫で挑戦したことがありましたが、木綿ははじめて。写真を見せてもらい、とりあえず模型を作ってみました。回転するおもちゃは観覧車で経験がありますが、なかなかスムーズにいきません。試行錯誤の中で軸受けをしっかり安定させたら、きれいに回りました。単純で大事なことでした。担当者にも気に入ってもらいましたので、こんどはそれを拡大した舞台装置にします。久しぶりの大仕事になりそうです。
◇3月に坂本龍一さんが亡くなって以来、ときどき新聞に特集記事が載るようになりました。生前はそれほど注目していませんでしたが、彼の業績を知るうちにとても半端でないことを少しずつ理解してきました。いちばん驚いたのは高校の2年後輩だったこと。私たちが東大紛争でバタバタしていた頃、彼も反戦活動をしていたとのこと。校内であまりうわさを聞きませんでしたが、どこかのデモで会っていたかもしれません。その後彼は芸大に進学し本格的な音楽の道に入りますが、エッセイを読むと授業にはほとんど出ず、出会った人脈の中で自分の音楽を育てて行ったようです。山下達郎や大滝詠一とバンドを組みレコーディングも行っています。やがてYMOを結成し一気に注目されます。そんな彼が大島渚監督の目に留まり「戦場のメリークリスマス」の音楽と主役を務めることになります。この映画、名前はよく知っていましたが、全編を通してみたことがなく、今回記念上映を見に行きました。音楽はもちろん耳に残りましたが、ニヒルな上官を演じる坂本の演技がものすごくオーラがあり、圧倒されました。デヴィット・ボウイ演じる敵の上官と互いに惹かれ合う場面も印象的。現実の戦場はもっともっと悲惨だったろうと想像しつつ戦争の愚かしさを静かに突きつける作品でした。 ◇「銀河鉄道の父」は原作を読んだ時からやがて映画化される予感がしていました。宮沢賢治(菅田将暉)の幼少期から妹や弟たちに物語を語ってきたことがベースになり、やがて作家になりますが、その過程をそばでずっと見守ってきたのが賢治の父(役所広司)。宗教に走り、危うい瞬間もしっかり抱きとめます。妹トシの凛とした姿勢がすべてを支えてきた気がしました。
◇「ウィ・シェフ」も印象に残る映画でした。パリの有名なレストランの女シェフがオーナーと折りが合わず、店をやめます。しかし次の職場がなかなか見つからず、要請があったのは移民の学生たちの寮の食堂。食材も缶詰と少々の野菜しかない現状に愕然としつつ、食堂を建て直して行きます。人手がないので学生たちを使うことになりますが、それも一からの教育が必要。多民族の問題、難民申請の問題等寮の運営に関わる事柄にもかかわざるを得ません。その展開に勇気がもらえます。
◇ターシャ・テューダーの絵本、コーギビルの3 冊が新訳で出版されました。一冊目の「コーギビルのむらまつり」は二女が大好きで昔何回も読まされた作品ですが、買ったのは50年近く前。その後一時入手困難になっていたそうで、今回3冊目の「コーギビルのいちばん楽しい日」を購入しました。コーギビルの村で、クリスマスの準備が始まり、新しい家族も越してきて店を開きます。バザーがあり、スキー大会があり、パーティが開かれます。ツリーを飾り、クリスマスを迎えます。まるで精巧なアドベントカレンダーをめくって行くような気分になります。少々購入するのが早すぎました。
◇「二人と一匹の本格捜査ミステリー」は弁護士の村松由紀子さんが書いた初めての児童書。この巻は「消えたボウリングボールの行方」と題し、盗まれたボウリングボールと犯人を捜すミステリー。活躍するのは犯人を疑われたボウリング場の支配人の息子とその友人の女の子。そして犬のジュンも活躍します。小気味いい展開に文才に感心します。続編も楽しみです。
◇「汝、星のごとく」は今年本屋大賞に輝いた凪良ゆうの作品。さすがに読み応えがあり、ふたりの男女の交互の登場が15年あまり続きます。構成もおもしろいですが、二人の関係の距離が離れたり近づいたり、他の登場人物も絡ませながら、絶妙に読み手の心をゆさぶります。
◇「愛なき世界」(中公文庫)は今朝ドラでやっている「らんまん」の主人公のモデル牧野富太郎にも通じる植物おたくの女性にほれてしまった洋食屋の青年との話。ひたすら葉っぱの成長の実験にいそしむ彼女を見守りながら、告白してスルーしても、けなげにささえていく男のいじらしさがたまりません。
◇その他最近読んだ本
・「お探し物は図書室まで」青山美智子著 同   コミュニティハウスに設置された図書館では   本の紹介と同時に付録が手渡されます。
・「今夜、すべてのバーで」中島らも著 講談社   医者からこれ以上飲むと死ぬと宣告された著  者が酒を巡る人生について体を張って綴ります。
■アートイ展ご来場の皆さんへ  
 昨年も書きましたが、はじめてのお客さんへ自己紹介させていただきます。名古屋で木のおもちゃを作っている三輪と申します。アートイ展は当初より参加しており、毎年制作の指標にさせていただいています。今回のお題は「さわやか」ということで、思いついたのは、これまで作ってきた生きものを並べようということでした。生きものはどれをとっても「さわやか」なイメージがあると自分できめつけました。
 合板の動物を作り出したのは、数十年前カモシカの仲間たちの木のモデルを頼まれてからでした。それをきっかけに哺乳類100種類、そして恐竜と続き、鳥、犬とどんどん広がって行きました。どれも頭部、胴体、足、尾などを分解して作り、丸棒で組み立てるという作業が共通しています。少し工夫すれば、このパターンでほぼすべての生きものが出来そうな気がして、今回は「ウミウシ」まで作ってみました。
 電動糸ノコとドリルを駆使したおもちゃを作っていますが、この生きものシリーズは自分の制作の中心になっています。自宅では「おもちゃのひろば」と糸のこ工作のできる「工房ひろば」を開設しており、この生きもの作りにも挑戦してもらっています。もし、機会がありましたらお出かけ下さるとうれしいです。詳細はホームページをご覧下さい。   

◆◆7月の予定◆◆
・ひろば 2日(日)、16日(日) ・工房 15日(土)、22日(土)