ひろば通信 23-07             

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    2023年6月29日(木)


◆◆7月の予定◆◆
・ひろば 2日(日)  ・工房 15日(土)、22日(土)

◇忙しい6月を無事に乗り切れるかと思いきや、とんでもないことになりました。コロナに感染してしまったのです。実は何の根拠もないのですが、自分は感染しないだろうと高をくくっていました。インフルエンザもかかったことないし、感染には無縁だと思い込んでいました。東京から戻り、何か風邪気味だなと思いましたが、おもしろ学校も迫っていたので、念のため抗原検査のキットを購入して調べてみたら、はっきりと陽性反応。あわてて発熱外来にかけつけたら、薬を処方され5日間の自粛生活を申し渡されました。おもしろ学校も休まざるをえず、スタッフに相談して代理講師を立ててもらうことになりました。一人分ずつ材料を小分けしておいたのが、役立ったようです。
 こちらは珍しく発熱して、咳、のどの痛みと噂どおりの症状でしたが、動けないわけではなく、アートイで受けた注文の作品を細々と作っていました。5日目になり、ようやくのどの痛みも消えて、平常どおりになりましたが、体重を量ったらさして変わらずがっかり。案の定つれも感染してしまい、わが家も人並みのコロナ経験者になった次第。
◇一週間の東京生活というオーストラリア旅行以来の外出でしたが、あっという間の時間でした。結末にこんなことが待っているとはつゆ知らず、のんびり東京の空気を楽しんでいました。今年のアートイの会場は神田神保町の一角にあるギャラリー。学生時代よく歩き回った古本屋街をなつかしくながめながら、会場に通いました。名前の記憶がある本屋もたくさんありましたので、利用していたのですね。一応ちょっとは勉強していたのかな。
 連日会場にいたせいでしょうか、お客さんにもたくさん会えました。何と小学校から中学、高校、大学、社会人とその昔東京で過ごした友人たちと再会できました。なかにはひろばの常連さんもここで巡り会い、不思議な気持ちになりました。
◇毎年アートイのおみやげは、石川さんというコマ博士の新作コマと村尾さんの段ボールミニ作品。 石川さんは今年のDMにも使われた「吹きコマ」のアレンジと磁石でつく優雅なコマ。風が静かに当たるところが最適ですが、どこかあるかな。村尾さんの作品も毎年作らせてもらっていますが、今年は宮崎駿の「紅の豚」をリスペクトして4種の飛行機が並びました。選んだのは羽の生えた豚くん。これも置き場所がむずかしいな。
◇会場が広かったので、私の作品もゆったりと並べさせてもらいました。今回はじっくり見てほしい作品でしたので、マニアックな人好みだったようです。若いスタッフが恐竜の中に人間も置いたらと言われたので、急遽紙とはさみで人形を作りそっと並べました。ちょっと映画っぽい雰囲気になりました。犬好きな人からは自分の家の犬種がいないとのことで、リクエストをもらいました。 ただ、もっぱら作品の値段が安過ぎるという評価が多く、値段の付け方を考えてしまいました。商品化という意識があまりないので、誰かアドバイスしてくれないかな。
 今回の生きものシリーズ、厳選して8本のタワーにまとめましたが、まだたくさん待機しています。いつか一同勢揃いした展示ができることを夢見てしまいました。
◇アートイの最終日、せっかく東京にいるので、早めに起きて「マティス展」を見てきました。あまり前知識はありませんでしたが、大胆な構図の抽象画ばかりと思いきや、しっかりデッサンされた分かりやすい絵画が多く、いっぺんに気に入りました。兵役を経て、さらに平和を希求する姿勢も共感するものがありました。
◇公開が待ち遠しかった是枝監督の「怪物」をじっくり見ました。いじめに会った子どもたちを中心に置きながら、親を含めたまわりをとりまく大人たちのありようを視点をかえて描きます。その子どもたちも本心が見えなくなるときもあります。あいまいさが憶測を呼び、不信感が漂います。自分がどこに立っているか画面から問いかけられているようで怖くなります。それが怪物の正体?
◇「憧れを超えた侍たち」は、もう充分見たろうと思っていたWBC優勝までのドキュメント。テレビ映像はほとんど使わず、独自の構成に驚きました。テレビ映像では見たことのない選手たちのリアルな言動がそのまま映し出されます。試合の結果は知っていても、緊迫した場面には興奮が蘇ってきます。こんなチームを作り上げた栗山監督の手腕を改めて見直しました。
◇絶対お薦めということで、勇んで読み始めたのは、町田その子著の「宙ごはん」。おばさんに預けられ、やがて実母と暮らすことになりますが、食事は作りません。実母に惚れ込んでいる後輩の料理人が届けてくれるのです。「宙(そら)」と呼ばれる少女は料理人を尊敬し、料理のいろはを少しずつ学んで行きます。料理にまつわるエピソードをひとつずつはさみながら、人間模様が綴られて行きます。この構成が絶妙で料理も光ります。東京の宿泊で世話になった婿殿に本をプレゼントしましたが、もう読んだかな。
◇この本があまりに気に入ったので、続けて町田さんの本を読んでいます。まず本屋大賞をとった「52ヘルツのクジラたち」。傷心のまま片田舎に移住し静かに暮らし始めますが、興味本位の視線にさらされます。そんなとき、口の聞けない男の子の世話をすることで、自分自身を取り戻して行きます。救うのは自分自身だと勇気がもらえます。
◇もし長編小説をゆっくり味わいたい方は、恩田陸さんの「スキマワラシ」がお薦め。あの座敷童をもじり、古びた、取り壊しが近い建物にふっと登場する少女。両親を早くに亡くし、兄弟で細々と古道具屋を営んでいますが、古いタイルから強烈な記憶が蘇る。それは亡くなった両親の若き頃の姿。物語の展開の早さに長さをあまり感じませんでした。
◇その他最近読んだ本 ・「伝言猫がカフェにいます」(標野凪著PHP文芸文庫)天寿を全うした猫の新しい出会いの仕事。癒しシリーズの続編。 ・「音楽は自由にする」(坂本龍一著 新潮文庫)  彼が高校の後輩だと知った衝撃の本 ・「カラスは飼えるか」(松原始著 新潮文庫)  カラス愛に満ちた本、少しカラスが可愛くなりました。

◆◆8月の予定◆◆
・ひろば 6日(日)、20日(日) ・工房 12日(土)、26日(土)
・南図書館糸のこ教室 5日(土) キューブパズル他    問い合わせ 南図書館 052-821-1732


?先月古いひろば仲間から、絵本などの寄贈を受けました。よかったらプレゼントしますので、ぜひお寄りください。